レボン快哉湯
レボンカイサイユ
お話を聞いた人
押川 麻湖
Mako Oshikawa
宮崎県出身。日本女子体育大学を卒業後、インストラクター、留学、ワーキングホリデーなどを経て、都内のホステルに勤務。2017年に、そこで出会った仲間と「株式会社ベステイト」の立ち上げを決意。創業メンバーの一人として、福岡の宿泊施設「モンタン博多」の運営に注力する。その後、2020年7月に「レボン快哉湯」をオープンし、企画と運営に取り組む。
このスポットについて教えてください!
1928年から街の銭湯として世代を超えて愛されてきた「快哉湯」をリノベーションしたカフェです。銭湯としては、2016年11月に建物や設備の老朽化により、惜しまれつつも幕を閉じました。ですが、「人々の記憶が詰まったこの建物を未来に残したい」というオーナー様の想いを私たちが受け継ぎ、2020年7月から「レボン快哉湯」として新たにスタートしました。入り口にある木札の下駄箱、湯船や壁時計など、古き良き銭湯の名残はそのまま活用しているので、それぞれが歴史と懐かしさを感じさせてくれます。だからこそ、お客様にとっても、まるで湯船に浸かっている時のようなホッと落ち着く気持ちになれるはずです。
とくに注目してほしいポイントは?
当時のまま残してある番台や富士山のペンキ絵。銭湯として賑わっていた頃の様子が目に浮かびますよね。番台がある銭湯は減ってきているので、お客様にとっても珍しいらしく、登ったり写真を撮ったりする方も多いです。ペンキの絵は、銭湯ペンキ絵師として著名な早川利光さんが描いたもので、この絵を見るためにわざわざ足を運んでくださる方もいます。こういった歴史あるものに囲まれながら、ぜひ当店自慢のアイスクリームを味わって欲しいです。小田原の「あきさわ園」直送のフルーツを使用している当店自慢のメニューで、昨年は私たちスタッフが農家さんの大変さを体感しながら一緒に収穫してきました。あとは、自家焙煎のコーヒーもおすすめです。アイスクリームに合わせて豆を厳選しているので、ぜひマリアージュを楽しんでください。
鶯谷という街の良さは?
下町文化の魅力である、人のあたたかみを感じられるところです。たとえば、カフェのスタッフが外で作業をしていると街の方々が気さくに話かけてくれることも多いんです。このエリアにはご年配の方が多いのですが、散歩しながら楽しそうに会話をしている姿を見ると、なんだかほっこりした気持ちになれます。そういう意味でも、人と人が繋がる出会いの場が多いというのは、この街の魅力だと思います。
街へ訪れた人におすすめしたいスポットは?
どのお店も気さくで親しみやすい方ばかりなので、ぜんぶおすすめしたい! 私はこの一年で、カフェやレストランなどたくさんのお店の常連になりました(笑)。色々なお店を回っていますが、どこに行っても話が盛り上がるのが嬉しいです。最近は新しいお店も増えてきているので、また新たな出会いがあるのを楽しみにしています。
『鶯谷所印』を集める人へ、メッセージをお願いします!
「レボン快哉湯」は年齢や国籍を問わず、だれもが居心地の良い空間で隣に座った人とのおしゃべりを楽しめるような場所を目指しています。浴槽で体を温めることはできないですが、コーヒーを飲みながら心を温めることはできるので、ぜひ気軽に立ち寄ってみてください。
スポットを担当したイラストレーター
宮岡千賀
Chika Miyaoka
イラストレーター/デザイナー
日常のアウトラインを描いています